皆様ご存知のように、2013年12月に設立されたA-Forumは早くも今年末で8年目を迎えます。これまで運営・コアメンバーによりさまざまな企画が行われてきましたが、多くの方々の協力と支援のお陰で大きな成果をあげることができました。「AF-フォーラム」や「研究会」もそのひとつですが、昨今のコロナ禍の広がりの中で、通常の開催はなかなか難しく、運用の工夫が求められています。
此度、A-Forumの中心的理念である『建築(家)と技術(者)の融合』をテーマにした新しい研究会を、今回の第38回AF-フォーラム「熱く闘いし、構造家たち」(2021年9月4日(土)14:00~)をキックオフ・イベントとして立ち上げることにしました。 近年あるいは今年になって他界された身近な方々―内田祥哉先生、川口衞先生、播繁氏、渡辺邦夫氏、新谷眞人氏らはいずれも「松井源吾賞」あるいは「日本構造デザイン賞」を受賞された著名な建築家・構造家です。その業績が高く評価されることは言うまでもありませんが、それと共に真摯な人柄と熱き情熱、建築や構造デザインへの愛着といった志を次の世代へのメッセージとして伝えたい。そうした思いがこの研究会の設立をした原点です。
アーキニアリング・デザイン(AND)とは建築と技術を結ぶ二つのベクトル―融合・触発・統合の有様や成果を見つめようとする言葉ですが、「空間構造デザイン研究会(KD研)」にもその評価軸は通底しています。ここでは2つのテーマ、すなわち「空間と構造のデザイン」および「空間構造のデザイン」からヒントを得て、次のような2つのPartを設定してみました。
Part I :「空間と構造の交差点」…話題のプロジェクトやテクノロジーをめぐって
Part II :「“空間構造”の軌跡」…実践的挑戦と世界の潮流
まずPart Iでは、建築家とエンジニアの協同や技術的開発・挑戦から実現された様々な成果やそのデザイン・施工プロセスについて数名のパネリストからレポートして頂き、オンライン方式での質疑・意見交換を行う。
つぎにPart IIでは、1959年に設立されたIASS(国際シェル・空間構造学会)の主要なテーマとして今日に続いている“空間構造”(Spatial Structure)に焦点を当て、長年にわたるわが国の活動を解剖しつつ世界の動向を俯瞰すると共に、若い世代を含めたフリートークを楽しみたい。皆様のご参加をお待ちしています。