A-Forum

アーキテクト/ビルダー(「建築の設計と生産」)研究会

コーディネーター:布野修司+安藤正雄+斉藤公男  コンペ・プロポ関連資料

第12回 発注者支援の必要性と実践-公共建築の未来に向けて-

2018年9月29日
主旨説明:長谷部勉(建築家)
プレゼンテーション:
1.「発注者支援の必要性と実践」相坂研介(建築家/JIA関東甲信越支部副幹事長)
2.「大井町駅前パブリックスペースコンペについて」あかるい建築計画 他
コメンテーター:森民夫(前長岡市長)
当日配布資料

国内の公共建築はほぼ9割が入札、残りも実績偏重のプロポーザルで、若手・アトリエはほとんど参加できない。ごく稀に敷居の低いコンペがあれば何百もの案が殺到する状況で、当選者以外は出すだけで疲弊する。こうして「公共建築の設計者は、公共建築の実績をもって募集され、評価される」という現況においては「公共建築の実績を1つでも作らないと、次の公共に挑戦すらできない」というサイクルができており、この状況が今後も続けば、将来的には公共建築の経験をもつ層が薄くなり、発注者側にとっても選択肢が激減していくため多様性・公共性が少なくなり、建築家側だけではなく、社会にとって不利益だと思われる。---相坂研介氏はJIAの常任幹事として、このような熱い想いと幾つもの目的を胸に、発注者支援の仕組みづくりの必要性を訴え、品川区大井町駅の公衆便所建替え事業を、パブリックスペース全体まで拡げた実施コンペとして実現させた。今回はそのコンペの公開二次審査(9/15)を終えたころ、仕掛け人である相坂研介氏に加え、最優秀候補者に選定された応募者(あかるい建築計画)にも参加していだだき、具体的な事例を交えながら議論したい。また、AB研究会を中心に活動準備をしているJCDL(ジャパンコミュニティデザインリーグ)構想とも併せて、議論を深めたい。