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建築やまちなみに対して建築家がどう責任をとるか、そのためにどのような権限を与えるか、行政はそれをどのように支援するかについて、2007年、国土交通省の「(仮称)建築・まちなみ景観形成ガイドライン」検討委員会(座長は山本理顕氏)で議論された。タウンアーキテクト方式、デザイン調整方式など様々な仕組みの可能性が提示された。その一つとして紹介された英国建築都市環境委員会(CABE)の様々な活動、多様な分野の専門家が関わるデザインレビューの取り組みは非常に魅力的であった。この会で、今後、我が国の建築・まちなみ景観形成の取り組みのあり方を考える上でCABE的なデザインレビューの仕組みの必要性を言及した、小出和郎都市環境研究所所長は、その後日本版CABEの仕組みづくりに取り組んでいる。
そこで今回は、小出和郎氏をお招きし、良好な建築・まちづくりを推進するために、建築家等の専門家、専門家集団がどの様に関わればいいか、その仕組づくりも含め、いくつかの事例をご紹介頂き、今後の展開と可能性について議論したい。また、その事例の一つとして「公共建築の設計者選定問題を考える02-群馬県の設計者選定」においても話題に上がっていた、小出氏が仕組みづくりから関わられた「那須塩原駅前図書館等設計プロポ」の審査の仕組みについてもご紹介頂こうと考えている。