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AB研究会では第3回「日本の住宅生産と建築家 その歴史と現在の課題をめぐって」及び第4回「建築職人の現在‐木造住宅の設計は誰の責任なのか」のなかで、現在の(戸建て)住宅の生産供給の現状と木造住宅での架構設計の問題や賃金水準も含めた職方・施工者の労働環境といった問題について議論された。
特に、「第3回では現在のほとんどの(戸建)住宅供給は主にプレハブ住宅とプレカット木造住宅の二つに大別されるが、それぞれの住宅の差別性はクローズドシステム供給なのかオープンシステム供給なのかの差でしかなく、顧客から見ても提供される商品・サービスが不明瞭な状況である。住宅産業全体が新築市場の縮小化のなかで行き詰まり感と供給構造の維持が大きな課題となっている。」ことが確認された。
また、木造パワービルダーの台頭やアウトソーシング活用拡大に伴う設計・施工技術者の能力低下や性能・品質担保の問題や施工担い手不足への対策が求められている。」ことが指摘された。
そこで今回はプレハブ住宅メーカーと木造地域ビルダーの現状と今後の展望や課題について比較確認した上、今後の(戸建)住宅の展開と可能性を議論してみたい。