アーキテクト/ビルダー(「建築の設計と生産」)研究会
コーディネーター:布野修司+安藤正雄+斉藤公男
コンペ・プロポ関連資料
第9回 公共建築の設計者選定問題を考える02
-群馬県の設計者選定(仮)
2018年3月31日
主旨説明:布野修司(日本大学特任教授)
プレゼンテーション:「設計者選定システムの極意―群馬県の事例をもとに」新井久敏(群馬県)
コメンテーター:森民夫(前長岡市長、筑波大学客員教授、近畿大学客員教授)
本シリーズは、建築を大きくは町場と野丁場、住宅と公共建築に分けて、その設計―生産の今日的問題を議論してきた。そうした中で、大きく浮上してきた問題として、デザインビルドにおける設計者の役割の問題、在来木造住宅のシステムと担い手の問題とともに、発注方式の問題がある。今回は、公共建築の発注方式、特にプロポーザル・コンペの問題に焦点を当てる。この設計コンペの問題については、2段階・公開ヒヤリング方式と設計者選定委員会=建設委員会連結方式(竣工まで解散しない)の提唱を軸に、様々な具体例をめぐってシリーズ化したい。
第6回「発注者」の責任―プロジェクト運営の多様化と設計の質 において、森民夫前長岡市長(「公共発注の諸問題」)が指摘したのは、市町村自治体における企画力の問題である。そして、
第5回「建築家の終焉!?―「箱」の産業から「場」の産業へ」 では、第3回で再確認された建築家のあり方について、そもそも「箱」としての建築をつくってきた建築家の概念そのものが無効ではないか、場所をつくっていく、まちづくりに建築を拓いていく新しい職能が必要ではないか、という提起があった。A-Forum・AB研究会は、「コミュニティ・デザイン機構―市町村建築・まちづくり支援センター」あるいは「日本コミュニティ・デザイン・リーグ」(仮)といった任意団体の設立をも視野において、その構想を煮詰めていきたいと考える。
今回は、群馬県で設計者選定に長年関わられ、かずかずの優れた設計作品を世に出されてこられた新井久敏さんの報告をもとに議論したい。