A-Forum e-mail magazine no.74(8-05-2020)
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コロナ感染防止への対応に思う
子供のころ、流行性感冒を略して「流感」と呼んでいたが、もう死語となっているのか、今はインフルエンザと呼ばれる。問題は、新型コロナウィルス感染拡大である。朝日新聞の「スペイン風邪」の記事(4月24日)で、100年前にパンデミックを引き起こし、日本でも3年間にわたり2380万人が感染し38万人が死亡と知った。自然災害も時間とともに忘れられがちであるが、わが国で、歴史教育が現代を教えない問題を改めて思った。環境史学者、藤原辰史の「B面の岩波新書」の寄稿も鋭い。
https://www.iwanamishinsho80.com/post/pandemic
ちなみに、平凡社の世界大百科事典でも項目としては取り上げられておらず、「インフルエンザ」と「伝染病」の中で数行の説明がある程度だ。
新型コロナウィルスは武漢が発生元と言われ、中国では収束に向かっていると報じられている一方、アメリカやヨーロッパでは我が国と比べものにならない凄まじい勢いである。メディアも楽観的見解をあまり報じていないが、あえて書くと、わが国では4月7日の緊急事態宣言以降、感染者の増加は指数関数的から安定に近い様相を見せ始めている。医療崩壊という言葉が躍っているが、どこの病院も感染症対応のための態勢を取り努力されている。感染者数が少ないのは清潔好きな文化が幸いしているようにも思えるし、死者数が少ないのは医療制度のせいか。
自治体は、個人に対して外出自粛、学校の休校、施設の閉鎖、店舗の休業要請などを発している。食料品や薬などは、流通を確保して時間短縮で対応している。どの組織も感染者が出ると大変なことになるので、医療関係者でなければ、自宅に籠ることで社会的な役割を果たしているように思っている。戦争みたいなものだから「今は我慢」というような言い方もされる。
もちろん、戦争とパンデミック対応は違う。気になるのは国と国民の関係である。戦争はトップダウンが肯定され、情報も国がコントロールすることで国民の士気を高める。パンデミック対応は、相手がウィルスであり、すべての国が情報を公開し共有し、状況に応じた相互支援をすべき性質のものである。感染者数や死者数の推移から何を学ぶか、国による保険制度や医者、病床の数の違いの中で何が最善と考えるか、すぐに答えは出ない。
それにしても、インフルエンザワクチンが開発されたのは1933年ころからというから、特効薬のないまま人類はスペイン風邪を乗り越えた。100年前に、3年間で3波の感染拡大が生じ、国民の4割が罹患し、感染者数に対する死亡数は、時期によって変化するものの50分の1程度ということとを改めて考える。医療崩壊を生じさせないために感染を遅らせる処置がどういうもので、どの程度成功したのか、わからない。
ウィルスに罹らなくて済むにこしたことはないが、そしてそのための努力が必要とは言え、海や山の自然を低密度で享受したり、距離を保っての接客対応で店を続けることは、むしろ奨励されても良いのではないかと思う。例えば1学年10人以下のような、いわゆる過疎地の学校が休校にしなければならないのだろうか。トップダウンは、誰も平等に耐え忍ぶことを正当化するきらいがある。戦争ではないのだから、地域の文化や社会に応じた対応を、自分たちで工夫する社会でありたい。
すべての国民1人10万円の給付が良いのか、休業補償政策が良いのかも気になるところである。本当に必要な弱者が救済されることになっていない。投資家や大企業、優良企業が恩恵を受け、明日の生活に困っている人に届かない政策になっていないだろうか。
(J.K.)
防災学術連携体が市民への緊急メッセージ 「感染症と自然災害の複合災害に備えて下さい」を発表しました。(2020/5/1)
印刷用資料、
プレスリリース
新型コロナウィルスの感染について予断を許さない状況が続いています。この感染症への対策を進めつつ、自然災害の発生による複合災害にも警戒が必要です。本格的な雨季を迎える前に、災害時の心構えを市民の皆様にお伝えいたします。
是非、ご一読いただき、複合災害の発生に備えて下さい。
詳細は
こちら
1、感染症と自然災害の複合災害のリスクが高まっています
・新型コロナウィルスの感染拡大は日本全国、全世界に及んでいます。近年毎年のように起こっている自然災害が、今年も日本のどこかで起きれば、その地域は感染症と自然災害による複合災害に襲われることになります。これが現実になると、オーバーシュート(医療許容量を超える感染者の爆発的増加)の可能性が高くなるなど、極めて難しい状況になります。
・複合災害の危険性を軽減するために、あなたのまちのハザードマップや地域防災計画などを参考にして、地震・火山災害、河川の氾濫や土砂災害などの危険性と避難の必要性について、今のうちに自ら確認して下さい。
・特に、自然災害に見舞われた地域では、ウィルス感染の爆発的拡大を防ぐため、被災者や自主防災組織、ボランティア、自治体職員、医療・福祉関係者などへの十分な配慮が求められます。高齢者や体の不自由な方への支援も必須です。
2、感染リスクを考慮した避難が必要です
・災害発生時には公的避難所が開設されますが、ウィルス感染のリスクが高い現在、従来とは避難の方法を変えなければなりません。
・災害発生時には、公的避難所のウィルス感染対策をとって下さい。避難所の数を増やし、学校では体育館だけでなく教室も使い、避難者間のスペースを確保し、ついたてを設置する、消毒液などの備品を整備するなどの対応が必要となります。さらに感染者、感染の疑いのある人がいる場合には、建物を分けるなど隔離のための対策も必要です。政府および都道府県・市町村の関係者は、連携して準備して下さい。住民の方はこれに協力して下さい。
・避難が必要になる地域の方は、近くの避難場所をあらかじめ決めておきましょう。必ずしも公的避難所である必要はありません。より安全な近くの親戚や知人の家などを自主避難先としてお願いしておきましょう。また、近隣の方で相談して、その地区の頑丈なビルの上層階を避難場所とすることも有効です。
・自宅で居住が継続できる場合は、自宅避難をしましょう。その場合、食料や水などを備蓄しておく必要があります。ただし、自宅避難が可能かどうかは、災害の種類や規模によって異なります。
・災害時の感染防止対策について、自主防災組織や町内会で相談しておきましょう。
・避難が必要になる地域では、自主防災組織や町内会が、公的避難所を利用する予定の方を把握し、その人数と情報を、予め市町村に伝えておくことが「3密」を避けるために重要です。
3、地震・火山災害との複合災害に備えましょう
・日本列島は4つのプレートの衝突部にあり、世界の地震の10%、世界の活火山の7%が日本に集中しています。今までのように、大地震は突然襲ってくることを忘れないで下さい。
・地震・津波、火山噴火などによる災害が発生した場合も想定し、複合災害への備えをこれまで以上に進めておく必要があります。身近なことでは、地震の揺れで家具が転倒しないように壁に固定する、防災用の備品を確認する、津波に対する避難路・避難先を確認するなど、これまで指摘されている防災対策のうち可能なものから少しずつでも進めて下さい。
4、気象災害との複合災害に備えましょう
・5月の大型連休明けには沖縄が梅雨入りの時期を迎え、その後、夏から秋にかけて大雨・猛暑・台風などによる気象災害が全国的に多発する季節になリます。
・地球温暖化による気候変動の顕在化に伴い、わが国では豪雨の頻度や強度が長期的に増大する傾向にあります。一昨年の西日本豪雨(平成30年7月豪雨)や昨年の東日本台風(台風19号)など、近年多くの地域が広域豪雨による甚大な水害、土砂災害に見舞われています。今年の夏から秋にかけても気象災害の発生に備えなければなりません。最新の気象情報や自治体などから発表される避難情報を常に確認して下さい。
・防災用の備品を確認する、洪水氾濫や土砂災害に対する避難路・避難先を確認するなど、これまで指摘されている防災対策のうち可能なものから少しずつでも進めて下さい。
・気象災害で避難勧告・避難指示が出された場合には、命を守るため、あらかじめ考えていた場所に、躊躇なく避難して下さい。
5、熱中症への対策も必要です
・気象庁からこの夏は平年より気温が高くなるという予報が出されており、梅雨明け後は熱中症対策が必要となります。熱中症により基礎体力が衰えると、ウィルス感染者の重症化のリスクが高まります。暑さに負けないように、健康維持に心がけるとともに、扇風機や空調設備の整備もできる範囲で早い時期に準備しておきましょう。
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