近年の建設工事費の高騰によって、多くの建設計画が延期や大幅な変更を余儀なくされています。建設物価調査会のデータによると、建設物価は2021年ごろから急騰して、今年8月には2015年当時の1.4倍になっているとのことです。公共施設において知る限りの例をとると、中野サンプラザ・旧中野区役所跡地の再開発、国立劇場の再整備、練馬区立美術館・貫井図書館の建て替えなどの着工に目途が立っていないと聞きます。いずれも主な要因は、建設費高騰によるものされています。
また不動産経済研究所がまとめによると、都区内の新築マンションでは、2014年の平均分譲価格が6000万円であったのに対して、10年後の2024年には、約2倍近い1億1000万円を超えていると報告されています。こうしたマンションの分譲価格の異常な上昇の要因には、建設コストの高騰だけでなく、国内外からの投機目的の取引もあるとみた千代田区が、今年の7月、不動産協会に対して分譲の条件として「5年以内の転売禁止」の特約を付すことを要請しています。さらに、私達の身近な問題として、重要な設計業務の一環である工事予算の作成が非常に困難な状況にあります。
第59回A-Forumフォーラムでは、今、なぜこうした異常事態になっているのかを考え、併せてそれを解決するため対応策を考えることをテーマとして開催します。当日はパネリストに山田泰成氏(石本建築事務所)、齋藤誠氏(日本積算事務所協会)、高木健二氏(東京製鐵)お招きして、切迫した現状のお話を聞き、意見交換を行う予定です。多くの皆様のご参加をお待ちしております。
