震災復興まちづくりには、さまざまな視点からの議論が必要であり、わが国でも神戸の震災を機に多くの試みがされ経験を積んでいるものの、十分な検証がされているか気になるところである。
まちづくりという視点からは、当然その地域性をどう反映するかということが大きな課題であることは、神戸、山古志、三陸、熊本などまちの性格、地震の規模が異なることなどからも明らかである。東日本震災から11年を経て、インフラの整備がまちと無関係に先行したことが否めないが、それは都市計画の役割、建築制度の課題なども関係している。
震災を防ぐとなると、建築物の構造的な安全性が第1の課題に挙げられるが、今回のフォーラムでは、少し幅を広げて考えたい。現実に、これまでどのように震災復興まちづくりが行われつつあり、これからどのように進められることが望ましいか、震災復興を見て来られた専門家として3名のパネリストに、それぞれの立場でご発表いただき、自由に議論いただく場としたい。