第43回AF-フォーラム「建築士制度を問う」

コーディネーター:金田勝徳
パネリスト:三井所清典(芝浦工業大学名誉教授)、仙田満(東京工業大学名誉教授)、今村雅樹(日本大学特任教授)

日時:2022年8月27日(土)14:00~16:00
お申込み→https://ws.formzu.net/dist/S72982294/
Youtube(お申し込みは不要です):https://youtu.be/XZ1hT6xMVvo

1950年に建築士法が建築基準法と同時に制定されました。当時は戦災によって壊滅状態にあった都市の復興のため、短期間に大量の建築物の建設が迫られていました。そのことに沿って生まれた建築士制度が、70年以上に渡って大きな改正がないまま、現在までに38万人を超える一級建築士が誕生しています。
その中で、現在建築士として実務に就いている建築士の人数を知ることは容易ではありません。試みに、現行の建築士法によって建築士事務所に所属する建築士に義務付けられている、3年ごとの定期講習修了者の数から推定してみると、推定可能な2010年から2021年の12年間に渡って一級、二級、木造建築士のいずれもが漸減し続け、その間の減少率は70%を上回っています。
こうした現象に対する危機感からか、建築士の人材を継続的かつ安定的に確保することを目的とした建築士法改正が、令和2年度に施行されました。その改正では一級建築士試験の受験資格の見直しと、受験機会の拡大が行われています。
具体的には、第一に一級建築士の受験資格であった大学卒業後2年の実務経験が必要なくなり、大学卒業後直ちに一級建築士試験を受験できるようになりました。第二は建築士登録までに必要な2年間の実務経験の適用範囲が大幅に拡大されました。第三に、学科試験合格の有効期限が3年から5年に延長され、その5年の間の3回までは学科試験が免除されることになりました。
一方、この改正の副作用として、大学の受験予備校化、受験塾のさらなる肥大化などが考えられ、結果的に、建築設計のプロを目指す若者の生活や大学教育の在り方が、歪められるのではと危惧されます。こうした一連のことは建築士制度の在り方にかかわる問題であり、放置すれば日本の建築界に大きな禍根を残すことになりかねません。
そこで8月のA-Forumでは、長年建築設計事務所を主宰しながら大学教育とを両立されてきた3人先生をパネリストにお招きして、建築士制度の現状と、今後のあるべき姿を皆様と共に自由に話し合うことを企画しました。多くの皆様のご参加と、活発な意見交換を期待しております。