第1回 アーキニアリング・デザイン・アワード 2020
第34回 AF-Forum
第1回 アーキニアリング・デザイン・アワード 2020 設立記念フォーラム
2020年10月10日(土)16:00~、
オンラインにて開催
※概要欄より各講演の開始時間表示があります。
プログラム
(全体司会:宮里直也)
挨拶 斎藤公男 日本大学名誉教授/ A-forum代表
講演 「AND賞設立にむけてー選考委員からのメッセージ」 各20分
陶器 浩一 (滋賀県立大学教授/構造家)
磯 達雄(建築ジャーナリスト)
堀越 英嗣(委員長)(芝浦工業大学教授/建築家)
応募要項について (小澤雄樹)
意見交換 (司会:福島加津也)
資料
2020年4月4日開催設立記念シンポジウム
基調講演:「アーキニアリング・デザインの世界」 斎藤公男(日本大学名誉教授/A-Forum代表)
冊子ダウンロード
第1回 アーキニアリング・デザイン・アワード 2020 募集開始
2020年10月10日(土)16:00~、オンラインにて開催した「第1回 アーキニアリング・デザイン・アワード 2020 設立記念フォーラム」。多くのご視聴をいただき、ありがとうございます。
募集を開始しました。多くの募集を楽しみにしています。
Archi-Neering Design AWARD 2020 (第1 回 AND 賞) 募集要項
AND 賞の目指すもの
AND 賞が⽬指すものは、完成された建築作品としての評価だけではなく、そのプロジェクトがもつ固有の技術的テーマ(構造や環境など)を明らかにし、デザインプロセス、しくみ(システム)やしかけ(ディテール)、素材や施⼯法などを真摯にイノベーティブに追求する⼈やチームを表彰することである。
「AND」とは、AND 展で見えてきたもの
アーキニアリングデザイン(AND)とは、「建築と技術の融合・触発・統合の有様とそれを志向する理念」のことである。
2008 年より 12 年以上にわたって国内外で開催されてきた AND 展では、時に 150 点余の模型・パネルが並び、数多くのフォーラムが開催された。
そこから⾒えてきたものは⼆つ。
第⼀に、「建築は織物だ」ということ。連綿と引き継がれる「技術」のタテ⽷は強靭であり、感性や社会的
欲求を映す「芸術」のヨコ⽷により、時代の模様が描かれている。その交点には常に両者の葛藤や協同の
物語がある。
第⼆に、「技術は空間を介して建築とつながっている」ということ。意匠が失われても空間はあるが、構造
なくして空間は成⽴しない。イメージとテクノロジーの有機的な融合・協同の結果として、「美しく合理的
な」「合理的で美しい」 建築の空間形態が⽣まれている。そのことは歴史的にも検証されていよう。
AND 賞で評価したいと考える視点
今の時代の頂点としての「点」の建築の評価は既に多くの建築賞で選定されている。
AND 賞は時代が求める建築を、作品という「点」として捉えるのではなく、美しい歴史的建築を実現に導いた⼀連の芸術と技術の融合というプロセスから学び、未来へ繋げていくという「線」や「⾯」のような普遍的・横断的視点をもって追求する⼀貫した姿勢と業績を評価したい。
▷ 発想から実現に⾄る技術的テーマ性のあるデザイン・プロセス
▷ 個性的作品性だけではない普遍的技術の創造
▷ システム・素材・ディテール・⼯法などの新しい発想・⼯夫
新築、恒久的な建築作品だけでなく、再⽣や仮設、橋など建築以外の構造物、階段などの部位や家具・オブジェなどスケールの⼩さな作品も本賞の対象としたい。
第1回 アーキニアリング・デザイン・アワード 2020 設立記念フォーラム 報告
2020年10月10日(土)16:00~、
オンラインにて開催
※概要欄より各講演の開始時間表示があります。
シンポジウムの様子について、
鉄鋼技術11月号に記事を掲載いただきました。編集部のご厚意により、ここに一部を転載させていただきます。
A-Forum(代表=斎藤公男・日本大学名誉教授)は10月10日、「第1回アーキニアリング・デザイン・アワード 2020」(Archi-Neewring Design AWARD、AND賞)をオンライン(Zoom & Youtubeライブ形式)により開催した。全体司会は宮里直也氏(日本大学教授)が行った。
斎藤公男代表は挨拶で、「56年前の今日、東京オリンピックの開会式が行われ、競技場のスタンドで見ていたことが昨日のことのように感じる」と述懐。坪井研究室でデザインを学ぶと共に国立代々木競技場の建設プロジェクトに携わった経験を紹介し、「模型制作、手書き、デザインプロセスが印象深い時間・経験となり、技術と建築など様々なキーワードを育てる原点となった」と述べた。さらに「建築学会においても、構造デザインフォーラム、学生サマーセミナー、建築デザイン発表会、AND展が継続している。これらすべてが今回のAND賞につながっている」と述べ、AND賞の視点として2つのキーワードについて説明した。
①建築と構造のかかわりについて
構造=技術は空間を介して建築とつながることが重要な視点。古代遺跡は美しい内部様式、空間が歴史を超えて感じられるが、構造は見えてこない。意匠が失せた廃墟に立つと、構造なくして空間は存在しないと感じられる。
②アーキニアリング・デザインについて
建築学会は芸術・技術・学術の三つの領域があるが、学術をさらに科学と工学に分けて考えると、この4つのキ ーワードは互いに相関関係がある。今日、科学と工学が成熟し、芸術、技術は異なるジャンルに見えるが、実は深い関係にある。このことに注目したい。科学と工学は技術と一つになり、芸術と相対し実現力と想像力の関係が問われている。
この二つのベクトルのあり様として、 ARCHI-NEERING DESIGN(AND)を提案した。ANDの世界は非常に厳しい条件の中で個別性が問われ、アーキテクト、エンジニアとの協働が問われる。斎藤代表はAND展を説明すると共に、「『建築は織物』、縦糸=技術と横糸=感性が交差する。技術は歴史的に連綿とつながる強い糸。個人の感性、社会のニーズなど時代ごとに横糸が流れている。そこで織られたものが建築の世界。その交差点を皆さんと見たい」と結んだ。
続いてAND賞選考委員の陶器浩一氏(滋賀県立大学教授、構造家)、磯達雄氏(建築ジャーナリスト)、選考委員長の堀越英嗣氏(芝浦工業大学教授、建築家)がAND賞が求める作品像などを講演。
最後に小澤雄樹・芝浦工業大学教授が第1回AND賞応募要項、評価したいと考える視点として①発想から実現に至る技術的テーマ性のあるデザイン・プロセス ②個性的作品性だけではない普遍的技術の創造③システム・素材・ディテール・工法などの新しい発想・工夫を紹介した。
その後、福島加津也氏(東京都市大学教授)の司会で意見交換の場が設けられ、Zoomでつながった方々との質疑応答が行われ、実行委員および運営員のメンバーからさまざまなメッセージが述べられた。