コーディネーター:金田勝徳
パネリスト:神田順、五條渉、設計者(未定)
コーディネーター:金田勝徳
パネリスト:神田順(東京大学名誉教授)、五條渉(日本建築防災協会 参与)、土屋博訓(日本設計 技術管理部 シニアマネージャー)
日時:2019年2月13日(水)17:30~
場所:A-Forum
参加費:2000円(懇親会、資料代)
参加申し込み:こちらのフォーム よりお申し込みください。
*「お問い合わせ内容」に必ず「第26回AF参加希望」とご明記ください。
現在の建築基準法の前身ともいえる市街地建築物法が制定されたのが1919年でした。以来今日までの100年の間に、名称を「建築基準法」と変え、大きな変貌を遂げながら現在に至っています。その間、改正のたびに施行令、告示、技術基準等々、構造設計の際に準拠すべき規定が増え続けています。
構造設計者は、それらの規定を設計荷重やクライテリアを設定する際の拠り所にしている面もあります。しかし、構造体のモデル化から応力計算、部材設計の方法と、その適否の判断にいたるまで細大漏らさず規定され、それに適合させることが義務付けられていることに、設計の自由を奪われた様な羈束感にとらわれています。そして、これらの規定が日々留まることなく進む設計の多様化や技術革新などの変化に対応できているかについて、しばしば疑問視されています。
一方、これ等の建築基準法や関連法規定は、個人の財産権を保障する憲法29条のもとに定められた法律であるため、生命・健康・財産の保護を目的とする建築物が持つべき最低基準を定める範囲を超えることができないとされています。このことから、基準法が建築物、都市の安全を守る目的に対しては不十分であり、それを補うものとして、学会をはじめとした様々な団体による基準、規準、仕様書、指針の類が重要な役割を果たしています。
今、設計の自由度を確保しながら、最低基準を超える建築の性能を発注者と設計者との間で決める設計方法として、仕様設計から性能設計への移行が期待されています。しかし、それがなかなか普及しない原因の一つとして、当事者間で性能設計の核となる要求性能の内容を共有し、それを満たすための設計条件を設定するのに必要となる相互理解可能な共通言語が、まだ十分用意されているとは言えないことが挙げられます。もう一つは、建築基準法で言う「最低基準」のレベルが性能的にきちんと明示されていないことにあると思います。こうしたことから、設計者自身が、安全性確保のための判断を任され、その結果責任を負うことに伴う負担増を恐れて、積極的に性能設計に踏み出すことをためらうことも否めません。
そこで今回は産・官・学の各分野からのパネリストをお招きして、話題提供を頂き、皆様と一緒に現在の構造設計に大きく影響する諸規定の問題点と、それらを解決・改善するために目指すべき方向、そしてその実現に向けた課題は何かを考えてみたいと思います。多くの皆様のご参加を心よりお待ちしております。