★第2回フォーラム開催決定★
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テーマ:使える超高層が壊されるのは何故
日時:6月21日(土)16:00~18:00
場所:A-Forum レモンⅡビル5階
フォーラム終了後懇親会(会費2000円)
コーディネータ:和田 章(東京工業大学名誉教授)
パ ネ リ ス ト:岩井 光男(三菱地所設計元副社長)
中川 雅之(日本大学経済学部教授)
★定員20名、申し込み先着順★
メールフォームにて申し込みをお受けしています ★申込み終了しました
→http://www.a-forum.info/contact/form.html
『お問い合わせ内容』に必ず第二回フォーラム参加希望と明記してください。
東京大学生産技術研究所を退官後明治村館長も務めた村松貞次郎は、使える建物を壊しているのは大地震や巨大台風ではなく、建直しを進めている人間ではないかと、皮肉を込めて言われていた。ローマのスペイン広場の向側のビルに挟まれた道だったと思うが、明らかに邪魔と思える小さな石造の遺跡があり誰も壊そうとしない。基本的に作ったものは壊さないヨーロッパの精神であろう。一方、木と紙と土で建築を作ってきた日本人のDNAには建築は建直すものと刻まれているのかも知れない。
A-Forumのコアーメンバーやフレンドの方々の多くは東京や大阪に高層ビルが次々に建てられてきた時代に生きてきた。地震動の研究、強風の研究、これらに対する応答を調べる研究、これに対処するための材料・構造法・施工法に関する研究を進め、構造設計者は各時代の最先端の技術を開発し設計施工を進めてきた。言い過ぎかもしれないが、日本の超高層ビルは建築技術者の血と汗の結晶である。
生きている間にこれらの建物が壊されるとは思っていなかった。大阪の新しい朝日フェスティバルホールの設計者らに、丹下健三設計の中之島の電通ビルはどうしたのか? とてもきれいなファサードだったのだがと、聞いても誰も知らない。東京の六本木のIBMビルもファンが多かったが、既に壊されてしまった。
世界の中の日本、アジアの中の東京や大阪は、北京や上海、シンガポールなどに負けていてはならない。この経済原理は建物を建て直す方向に働き、耐震・耐風の構造技術も進んだ。我々の気付かないところに、床面積の大きな新しいビルに建て直すことの道理があるのであろう。
第二回のA-Forumでは日本大学経済学部の中川雅之教授と三菱地所設計の岩井光男元副社長にお話を伺い、ご参集の皆様と「使える超高層が壊されるのはなぜ?」を問いなおしてみたい。
(和田 章)