本音を語ること

  本音を語れることは気分が良いし、楽しい。それで気持ちが通じれば言うことがない。しかし、社会はすべてが自分のために動いてくれているわけではないので、相手の立場も考えた物言いが必要であったり、言いたい気持ちをセーブしたりも必要となる場合はすくなくない。

  国会議員との面談とかなると、いきなり本音でも通じないが、建前だけ語っていても通じない。逆に、議員からあまり本音が出て来ると、話す気持ちが萎えたりもする。専門家同士でも、なかなか酒の席にでもならないとほんとの本音とはなりにくい。何か言えば仕事の上での利害が出かねないし、心の友と言うよりは、ライバルだったりもすれば、なおのことだ。

  専門家が一般の人と話をしたり、説明したりとなると、また別の意味で難しい。「この建物はどのくらい安全ですか?」「最大級の地震でも、びくともしませんよ。」建前で言うにしても、「最大級」の定義や「びくとも」ってどういう意味か、自分でも十分にイメージしていないとすると、真意が伝わらない。「あなたが、なるべく安くなんて言うから、震度6くらいでも少しくらい不具合が出るかもしれませんよ。」などとは、なかなか言えない。「経済設計と言われてはいますが、震度6程度の地震に対しても基準法の規定で大丈夫なようになってます」などと、建前を言って、お互いわかったつもりになるのでは、困ったものだ。

  相手がどの程度の知識を持っているか、自分がどの程度の知識をもっているか、それによって本音も建前も言い方が変わってきたりする。相手のことを考えて、なおかつ、自分のやりたいことや、良かれと思ってやったことの魅力を伝えるのは、建前では通じない。どのようにして、本音を気持ちよく語るか、その場の雰囲気にもよるが、専門家の間で、本音で議論できるのは、楽しい。

(JK)



第四回フォーラム開催のお知らせ  *詳細確定次第お知らせいたします
テーマ:建築メディア(仮)

コーディネータ:安達 功(日経BP社、建設局プロデューサー)


日本の戦後の成長時代の建築活動を建築家、構造設計者および施工技術者とともに牽引してきた建築メディアの存在は強力であった。成熟時代になったと言われ、建築メディアの役割は明らかに変化している。この40年活躍してきた建築ジャーナリストを招き、建築とメディアのこれからについて議論する。

日時:10月21日(火) 18:00-20:00
場所:A-Forum レモンパートⅡビル5階
フォーラム終了後に懇親会
会費:2000円

定員20名、申し込み先着順 

メールフォームにて申し込みをお受けしています
http://www.a-forum.info/contact/form.html
『お問い合わせ内容』に必ず第四回フォーラム参加希望と明記してください。



秋季休暇のお知らせ

9/11~16、休館になります。 ご了承ください。