第27回
リスクをどう語るか


コーディネーター:神田順
パネリスト:高田毅士(東京大学 教授)、広田すみれ(東京都市大学 教授)
司会:安達 功

日時:2019年4月9日(火)17:30~
場所:A-Forum
参加費:2000円(懇親会、資料代)
参加申し込み:こちらのフォーム よりお申し込みください。
*「お問い合わせ内容」に必ず「第27回AF参加希望」とご明記ください。

建築は安全な構造でなければいけない。そのために法や基準があって、専門家はその枠にそって業務を進める。そのことについてのテーマ設定は、A-Forumのフォーラムで今まで何度も扱ってきた。しかし、安全とは別の言い方をするとリスクの十分少ない状態であり、リスクをしっかり見すえて考えることで新しいものが見えてくるのではないかというのが、今回のフォーラムの趣旨である。

どう語るか、すなわちリスク・コミュニケーションのテーマで長く研究に携わっているお二人をパネリストとしてお呼びした。

高田毅士氏は、技術説明学を展開されている。海外では、リスクを確率に基づく概念と捉え、それにどう対応するかが設計や防災の問題になっている。特に原子力など先端技術の世界では、実務も研究もリスク評価やリスク・マネージメントが中心課題である。残念ながら、我が国では専門家に確定的な危険状況を語らせて、確率的な評価をもとにした取り組みが社会的に十分認知されていないのは、合理的と言えない。

 広田すみれ氏は、社会心理学の視点から、確率そのものの人の捉え方についてお話しがいただけると期待している。どのくらい安全かと語るのと、どのくらい危険かと語るのでは、心への響き方が違う。それは認識の差にもなり、行動の差になって現れるであろう。  建築に関わる関係者が、建築構造のリスクを、中でも地震災害に関わるリスクを共通に認識できるようになると、性能設計も質的進展が期待できるのではないか。